サーキットを走行するまでの準備
何も知らない人を対象に記述していきます。
まず、この趣味にはお金がかかります。
値段のつけようがない良い点として、運転技術が間違いなく向上します。
普段出会えないような人と、出会えるチャンスがあります。
どこを走っても、必ず必要になるものが、
この二つがあれば、とりあえず、ゆっくりなら走る事ができます。
走行前に知っておきたい知識
サーキット走行は、100%自己責任の世界です。これ大切です。
コースを壊してしまったら、弁償です。自分の車を壊しても自分の責任です。
その為、当たり前のように走るだけでも、外せないポイントがいくつもあります。
- ブレーキ・パッド
- 一般道と違いスピードが出ます。急ブレーキを何回も繰り返します。
そのためスポーツ走行(サーキット走行をスポーツ走行と呼びます)にも耐えられる
ブレーキ・パッドが必要になってきます。極端な例では、通常のブレーキ・パッドでは
スポーツ・走行をすると、パッドが蒸発してなくなってしまいます。
ただでさえ、限界を試して走っているのに、肝心な時に効かなくなります。
それが始まった瞬間は、ヌルっとした感覚があります。それでは遅いです。
ブレーキパッドの温度域が、0〜800度くらい対応できるものが良いです。
摩擦係数というものがブレーキパッドにはありますが、これが大きいほど
ブレーキは効きますが、ローターを痛めます。
例えば、pmuのType HCというブレーキパッド。このパッドなら0〜800度対応です。
いくらでも、スポーツ走行向けのハードなパッドを装着できても
街乗りで、ブレーキを踏んだ時、ギーーーとなったりするので
こまめに変えるか、街乗りとスポーツ走行の両方で使えそうなバランスが必要となります。
ブレーキは、フロントとリアがありますが、フロント側の負荷が大きいです。
- ブレーキ・フルード
- ブレーキ・オイルなんて呼び方もされています。オイルではありませんが、、
ポイントは、買ったままの車の場合、DOT3という規格のブレーキ・フルードが使われて
いたりします。ブレーキ・パッドを良いものにしても、ブレーキ・フルードが
頼りなくては、結果としてブレーキに信頼を持てません。
極端な例だと、激しいブレーキングを行うスポーツ走行では、ブレーキを
踏んでいる最中に、ブレーキ・フルードが沸騰してしまう事です。
DOT 3ならは、DOT 4に入れ替えてから走りましょう。沸点が少し上がります。
DOT 5という規格もありますが、水分を含みやすかったり、交換頻度が上げないと
いけないので、まずはDOT 4のブレーキ・フルードがお勧めです。
また、街乗りでは分からない程度の空気をフルードに含んでいる場合があります。
これが高温になると、膨張してきます。できればエア抜きをしてから走りたいものです。
- タイヤ
- エコ・タイヤでもサーキットは走る事はできます。
ただグリップ力が弱いです。コーナーをに突入するとギャーーとタイヤが鳴くはずです。
Sタイヤという、法的に一般道で走れるスポーツ・タイヤがありますが、
初心者の方には、お勧めしません。十分に慣れきった頃に、考え始めても遅くは無いと思います。
そこでお勧めは、ハイグリップ・タイヤと呼ばれているタイヤです。
エコ・タイヤ以上、Sタイヤ未満のタイヤです。街乗りでは、エコ・タイヤに比べて
やや、ロード・ノイズが大きい程度で問題はありません。値段が少し高いです。
YOKOHAMA ADVAN SPORTS NEOVAシリーズはお勧めのハイグリップ・タイヤです。
- タイヤの空気圧管理
- 一般道の走行と違い、サーキットでのスポーツ走行では、タイヤが熱くなります。
ハイグリップ・タイヤが消しゴムのように溶けてきます。
タイヤの温度が上がるという事は、タイヤの空気圧が上がります。
タイヤが熱くなりすぎて、パンパンの状態では、グリップが低下します。
その為、走り始めの時はやや下げるか、走行途中に一度ピットに戻りタイヤの空気圧の
エア抜きをしないと、良いタイヤを履いても、そのグリップ力を生かせません。
必要なものとして、タイヤの空気圧計があります。
自分の車が、どのくらいの空気圧の時が適正か、車に記載されています。
走行前、走行直後の空気圧の測定は、タイムアップに欠かせない作業となるでしょう。
- エンジン・オイル
- サーキットでは、一般道と違い、高回転でエンジンを回します。
エンジンにとっては、過酷な環境です。エンジン・オイルにも気を使って下さい。
エンジン・オイルの固さとか表現されます。例えば、0W-30では街乗りでは
燃費が良くても、高回転で回し続けると、極端な例では、油幕切れ、
エンジン・ブローです。すこし固めのオイルをお勧めします。
純正の固さ、粘度より、少し上げた上質なエンジンオイルを使うことをお勧めします。
私の車は、10W-50 を使ってます。 サーキットで高回転まで回して走った、エンジン・オイルは
沢山揚げ終わった天ぷら油みたいなものです。走行後、毎回交換が望ましいです。
ちなみに、車についている水温計は、沸騰前後に反応するので、使い物になりません。
車に水温計か、油圧計のどちらかがあると、モニターしやすいです。
走行直前の点検
- ブレーキパッドの残量は十分か?
- ブレーキ・ローターにヒビ(クラック)は入っていないか?
- ブレーキ。フルードは激減してないか?
- タイヤの溝は十分にあるか?
- 四輪の空気圧を測定したか?
- 冷却水は十分にあるか?
- エンジン・オイルの量は所定量あるか?
- ガソリンの残量は十分か?
- トルク・レンチを使ってタイヤのホイール・ナットが締まっているか確認したか?
- エアコンはオフにしたか?
- スペア・タイヤ等、降ろせる荷物は降ろしたか?
- ヘルメットのあごひもはしたか?
- グローブを忘れていないか?
走行直前のチェック
- 走行直後、四輪の空気圧を測定。
- タイヤの溝の確認。真ん中が削れていれば空気圧高し。
- ブレーキパッドの残量チェック。
- あらゆる漏れチェック。冷却水。エンジンオイル。パワステ・フルード等。
- 車の下も見てみる。ドライブシャフトからグリースが漏れていないか?
- ガソリンの残量チェック。
少しでも、参考になりましたか?
これだけ、知って準備すれば、ベテランさんに迷惑をかけずに、
とりあえず、スポーツ走行に専念できると思います。
健闘を祈ります。